「略奪者のロジック 超集編」 秋嶋亮著 白馬社

 日本社会の不透明性を強く感じるようになったのは、他でもなく3.11後であったが、その病根を辿ると、その遥か以前から私たち日本人は囚われ続けていた事に気付かされる。
 現政権は、福島・東北の復興という幻影をメディアで展開し、オリンピックでキャンペーンを締め括ろうと図っているが、これは、"もはや戦後ではない。"と経済白書で謳いだした過去の現象と重なって見えるところがある。
 日本は戦後ここまで、一体、本当の意味で"復興"したことがあっただろうか、独立は回復されただろうかと問うてみるべきなのだ。その点、本書は多くの手がかりを読者に与えてくれる。もちろん読後感は重い。現在の惨況が垣間見えるからだ。
 多くの日本人は、あの八月十五日のラジオ放送を聞いて崩れ落ち、そのまま裸ん坊で泣いていただけではないのか?



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